今日も素敵な車がやってきましたよ
名義変更から帰ってくると、なんとも懐かしい、ただ者でないオーラを漂わせている車が遊びに来ていました。
むかーし、走りに山に行っているときに出逢っていた方でした。あれから十数年今でも大切に乗り続けているんですね。その車の名前は、「ランチア デルタHFインテグラーレ 16V エボルツィオーネII」。この車フィアット傘下のランチアが、1979年にリリースしたデルタというごく一般的な5ドアハッチバックの実用車を、WRC(世界ラリー選手権)に出場するための公認取得用市販車としてハードな4WDターボモデルに改変した一連のシリーズの最終形態の車です。WRCの「グループA」と呼ばれた当時のレギュレーションでは、市販車とまったく同形状の競技車両が、普段は地元の人々がのんびり走る峠道などを、選ばれし天才ドライバーたちの極限の技術により極限の速度で駆け抜けていました。そんなWRCへの参戦を果たすためにつくられた4WDターボ版デルタの市販車バージョンは、まず1986年に「デルタ HF 4WD」として登場し、そのデルタ HF 4WDの競技車がさっそく1987年シーズンのWRCで圧倒的な総合優勝を飾ります。その後さらなる高出力化と同時に、「ブリスターフェンダー」と呼ばれる大きく張り出した前後フェンダーを採用したこの エボルツィオーネへと進化を続け、同時にそれぞれの競技車バージョンもWRCで前人未到の6連覇を達成したのでした。そして1993年。“最終形態”である「デルタHFインテグラーレ 16V エボルツィオーネII」が発売されます。今となっては控えめな最高出力215psのターボエンジンや16インチ化されたホイール、そして前身のデルタ HF インテグラーレで完成を見た極端な(しかし美しい)ブリスターフェンダーにより、通称エボ2は「市販車としての神話」をその身にまとうにいたったのです。しかもこのお車は、95年の最終ロット限定車=HF インテグラーレ エボルツィオーネⅡ コレツィオーネ!!です。レッドの車体の上面に、ランチアカラーの青と黄色のストライプを配したものとなり、日本では250台が限定販売されました。一生もののの一台ですね。本当に心がときめきました。うちの若い従業員もなんとかっこよいんだとうなっておりました。